先日、経営者の勉強会の席で、日本マクドナルドを創業した藤田田氏の話になった。すると参加者の一人が、「藤田氏の書いたユダヤの商法という本は、今ヤフオクで何万円もの価格で取引されているよ」という。
私はその本を読んだことはなかったが、自宅の父の書棚に藤田氏の著書があったのを思い出して久しぶりに紐解いてみた。「天下取りの商法」というタイトルの本。ユダヤの商法の続編にあたる。
この本を私が最初に読んだのは、確か中学生の時である。内容は鮮明に覚えていたが、改めて読みなおしてみても大変面白かった。この本の冒頭にはこう記されている。
「景気が悪いという言葉は口にするな! 世の中にはすぐ景気が悪いという人がいる。商売がうまくいかないと景気のせいにしてしまう人たちである。しかし、それは間違っている。」
「景気が悪いということは儲からない原因ではなく、与えられた条件にすぎない。そうした条件のもとにいかに儲けるのかを考えなければならない。景気を良くしていくのは総理大臣の仕事であって我々の仕事ではない」
「景気がよくても儲からない人はごまんといる。逆に景気が悪くても儲かっている人はたくさんいる。だから景気が悪いということは言ってはならない。景気が悪いことと儲からないことは、まったく関係がないからだ」
この本を読むと、その発想の自由さに驚かされる。その思考は今でも新鮮で色あせてはいない。しかも20年以上前の本でありながら、著者がまるで現代の日本を予兆していたかのような記述があって驚かされる。
そう言えば、つい最近読んだとある経済誌の編集長が、こんなことを書いていた。
「私がまだ若いころであるが、マクドナルドの藤田社長にお会いした時にこう言われた。『君はまだ若いんだから、ぜひ外国に出なさい。日本という国は税金が高い上に規制が多く、ビジネスにはとても不向きな国だよ。しかも国民は、成功者に敬意を払うということがない。こんな国は早晩、埋没してしまうだろう。そのうち中国が経済発展してくるだろうが、日本にはとても勝ち目などないよ。』 今思えば、すべて藤田氏の言う通りだったかもしれない」
藤田田という人は大阪の生まれであるが、旧制松江高校の出身とのことで、なんとなく親しみがわく。彼は日本マクドナルドを創業し、1代で売上高3,000億円企業に仕立て上げた。たしか毎年100億円以上の利益をたたき出していたように記憶している。しかし2001年、創業以来初となる赤字を計上した時に、もう自分の時代は終わったと社長職から退いた。そしてそのわずか2年後に、亡くなった。
今年は日本マクドナルドが創業して40周年なのだそうだ。

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