千葉県のS畜産様でイージージェットJr.をご利用をいただいています。ご利用開始後1ヶ月半ほど経ちましたので、概要をお伝えします。
S畜産様では肥育豚の糞尿を堆肥舎で堆肥化していらっしゃいます。堆肥舎は、1槽の大きさが幅3m×奥行5mで、堆肥舎1棟に4つの槽があります。堆積高さは1.6m。豚糞にはモミガラを混合しています。(画像1)
従来は1週間ごとに処理物の移動をかねて隣の槽に切り返していましたが、作業に時間がかかることと(1槽分の移動に約30分)、移動の時に臭気が発生することが悩みでした。特に日が浅い処理物を移動するときは、中から大量の臭気が拡散します。
画像1 堆肥舎
そこでS畜産様では、排出された直後の新鮮な豚糞にイージージェットJr.を挿しこむことで、移動(切り返し)時間の節約と臭気の低減を図ることにしました。(画像2:イージージェットJr.ご利用状況) ご利用後の発酵温度はおよそ70℃以上に達しました。(図1)

画像2 イージージェットJr.ご利用状況

図1 発酵温度の推移
ところで一般的に、堆肥の発酵状況を確認するには発酵温度の確認を行います。もちろん発酵温度が上がることは重要なことですが、ただ温度が高ければよいというものではありません。温度が十分に高くても、処理物内部は酸素不足で嫌気状態になっていることがよくあります。
大気中の酸素濃度は21%ですが、エサ(有機物)があると微生物の働きによって酸素が消費され、酸素濃度がしだいに低下します。酸素濃度と発酵速度とは比例関係にあるとされ、酸素濃度10%~15%が望ましく、2~6%になると反応速度が半分に低下し、一定の濃度を下回ると好気反応は停止すると言われています。(藤田賢二:コンポスト化技術)
実際にS畜産様で計測した際は、切り返しのみの槽では、切り返した後まもなく酸素濃度は3%以下にまで低下していました。 一方でイージージェットJr.を利用した槽では酸素濃度が10%~15%を示し、好気状態であることがわかります。(画像3,4)


画像3 イージージェット区(酸素 13.2%、温度74℃) 画像4 堆積区(酸素 3.3%、温度72℃)
イージージェットJr.を挿しこんだまま1ヶ月半ほど放置し、内部を掘り起こしてみた様子が(画像5)です。掘り起こしても臭気はなく、放線菌が覆って真白に変色しています。全体の半分はかなり乾燥が進んでおり、含水率が30%まで低下していました。(画像6)これはこれで水分調整用の戻し堆肥として利用できますが、堆肥として出荷するには水分が低すぎるかもしれません。この結果を踏まえて今後は、1~2週間程度でジュニアの挿しこみ位置を変えるよう、使い方を工夫する予定です。

画像5 内部は放線菌で白く覆われている

画像6 堆肥拡大写真
S畜産の社長からは、「発酵が速く、手間がかからない。掘り起こしても悪臭が出ないため、取り出し作業が楽になった。堆肥がサラサラしていて使いやすい。」との評価をいただきました。

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