先日、日経誌の付録CDに、
「2010年の景気はどうなるか?」
というテーマの講演が収録されていました。なかなか面白い内容だったのですが、本当にそうなるのかな?というのが気になるところです。ということで、ざっくりと検証してみました。
その講演内容によると、2010年は景気の回復が見られるだろうとの予測。きっかけは、日米の金利差であるといいます。
理屈としては以下のようなものでした。
1)アメリカの金利が2010年秋には上昇する(一方で日本は低金利のまま)
↓
2)円キャリートレードが復活して円安になる
↓
3)輸出企業の業績が回復する
↓
4)経済が上向き局面に
さて、円キャリートレードという言葉は聞いたことがあると思います。これは、日本の金利が低い場合に円を調達して(借りて)それを売り、売ったお金でより高い利回りとなる金融資産(例えば外国の通貨や外貨建ての株式など)で運用すること。円を売るから当然ながら円安になります。
円キャリートレードの正確な実態はよくわかっていないようですが、2000年代に入って徐々に活発化し、現在は数十兆円の規模であるといわれています。
たしかによくニュースなどでも「長期金利の上昇により為替が変動した」などと報じられますが、本当にそのような相関があるのでしょうか?ちょっと興味がわいたので調べてみました。図1のグラフは日米の長期金利差と為替の推移です。

図1 日米長期金利差と為替
こう見ると確かに連動しているように見えますね。では実際にどの程度連動しているのでしょうか?連動の程度を見るには相関係数(下の式)という指標があります。これは -1 ~ 1 の値をとり、1に近ければ相関があると言え、0に近ければ相関がないと言えます。-1に近ければ逆相関(片方が増えると片方が減るような関係)だということがわかります。

もっとも、面倒な計算をしなくても、エクセルのCORREL関数を使えば一発で求められます。ちなみに上の2004年1月から2010年1月までの「日米金利差と為替の相関係数」は0.81ですから、かなり高い相関があるといえます。
従って、この秋までにアメリカの金利が上昇すれば、円安になって輸出企業の業績に寄与するだろうという説には一定の説得力があるように思います。ただし、円安になってもただちに企業の決算に反映されるわけではありませんから、そうしたタイムラグは考慮しておくほうがよさそうですね。
ところでもう一つ、講演では日経平均と一株利益についても言及していました。
2010年は日経平均銘柄の1株当たり利益が回復しているから、日経平均が上がるだろうというものです。これについてはデータがうまく探せなかったので検証できませんでしたが、日経平均が上がる局面というのは恐らく、株価収益率のほうが先に上昇しているのではないでしょうか? もっとも私は株取引をやりませんので、この辺の判断はただの憶測にすぎません。
データが見つかれば検証してみたいですね。

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