イージージェットジュニアを使って、キノコの菌床を堆肥化した事例をご紹介します。
国内で年間に廃棄される廃菌床の正確な量はわかりませんが、キノコの生産量が年間40万トン(H19年 林野庁)であることから、それ以上の量が廃棄されていると考えられますので、有望なバイオマスであると言えます。
きのこ工場から排出される菌床ブロック→

排出されるキノコの菌床の処理としては、廃棄物として処分する他、畜産農家で使う副資材として引取ってもらう、農業資材として利用するなどのケースが多いようです。ただ、例えばシイタケ廃菌床などは、1)Phが4以下と強い酸性を示す、2)C/Nが25~40と高い、などの特徴があり、堆肥化がなかなか進まず、また未熟なまま土壌に施用すると窒素飢餓などの原因となる恐れがあります。

そこで当社では廃菌床を簡易的に堆肥化する方法として、フレコンバッグとイージージェットジュニアを使った試験を行いましたのでその結果をご報告します。
試験を行ったのはエノキ菌床と破砕したシイタケ菌床で、PhとC/Nの調整のために発酵鶏ふんを混合しました。発酵鶏ふんはホームセンターで売られているもので、あまり臭いのしないものを使用しています。エノキ菌床は廃菌床の20%、シイタケ菌床は10%量を混合しました。
原料をフレコンバッグに入れてイージージェットジュニアを挿し込むと、どんどん温度が上昇し、24時間で70度に達します。数日で表面を白い放線菌が覆い、およそ60日で堆肥化は終了します。鶏ふん肥料を使うので、発酵初期のみ鼻を近づけると少しアンモニア臭がしますが、フレコンの口を縛ったり、ブルーシートをかけたりすれば感知できない程度です。イージージェットジュニアはフレコン1袋につき1本使用し、1m3処理あたりの電気代は60日間で720円、発酵鶏ふんの購入費は400円でした。

ちなみにわざと通気を止めてみたところ、発酵温度は急激に低下しました。これにより通気の効果が確認できます。(下図)

なお、下表は成分分析結果(エノキ)です。
| 分析項目 | 原料(エノキ菌床) | 生産物(菌床肥料) |
| 水素イオン濃度(Ph)(1:10) | 6.0 | 7.4 |
| 窒素(現物%) | 0.56 | 1.44 |
| リン酸(現物%) | 1.26 | 3.33 |
| カリ(現物%) | 0.41 | 2.09 |
| 炭素(現物%) | 未計測 | 24.9 |
| C/N比 | 未計測 | 17 |
続いてシイタケ菌床肥料の分析値。
| 分析項目 | 原料(シイタケ菌床) | 生産物(菌床肥料) |
| 水素イオン濃度(Ph)(1:10) | 4.0 | 7.1 |
| 窒素(現物%) | 0.74 | 2.40 |
| リン酸(現物%) | 1.25 | 3.90 |
| カリ(現物%) | 0.43 | 2.28 |
| 炭素(現物%) | 18.7 | 24.8 |
| C/N比 | 25 | 10 |
(分析:島根県農業技術センター)
シイタケは、規格外品なども乾燥品にしたり粉末ダシにしたりと捨てるところのない食品ですが、このように廃菌床を堆肥化すれば、工場からの廃棄ゼロも可能となります。大掛かりな建築物などが不要で、低コストで堆肥設備の導入が可能です。当社では、本技術をベースにしたプラントを、年内にもキノコ工場へ納入予定です。納入後は詳細をお伝えしたいと思います。
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