続きを書くまでずいぶん時間が空いてしまいました(^_^;)
前回までの日記は
そもそもなぜ同じ商品が、それまではこんなにも売れなかったのか?
結果的に大ヒットしたのだからお客様はいたはずだ。そしてそのお客様は看護婦さんだったわけで、だから病院や介護職の業種を回ったのは、そんなに間違ってなかったはずなのに・・・。
・・・しかし実はこの考えには大きな落とし穴があったことに気づかされたのです。
このとき発売したナースシューズは、ある大手素材メーカーが開発した抗菌素材を使い、当時社会問題にもなっていた院内感染を抑制できるという効果を謳っていました。さらに靴の軽量化を図りつつ、クッション性も上げ、通気性を良くしてムレにくくし、長時間履いても疲れにくい設計を採用していました。
開発の際は何人もの看護婦さんにテストを繰り返してもらい、意見を吸収しながら商品作りに反映したという、当時活気のなかった会社にしては非常にマジメに開発した製品なのでした(笑)
淡いブルーを基調にしたおしゃれなカタログも作って、意気込んで販売を開始したものの、しかしまったく売れなかったのは前述の通りです。
なぜ売れなかったのか???
結論から言うと、その答えは、「我々が“靴”を売ろうとしたから」に他なりません。
病院に出入りしている問屋さんを説得して取り扱いを始めてもらい、靴問屋さんと同じように全サイズの在庫を揃えてもらう・・・つまり、靴を売るときと同じ手法で売れると思っていたのです。
よく考えれば、この製品を買ってくれるお客様は、『靴という道具』に対してではなく、『悩みを解決してくれる手段』に対してお金を払ってくれているのだということに、後になってようやく気づいたのでした。看護婦さんにとっての悩みとはすなわち、「長時間の重労働で足がパンパンになる。疲れが残って蓄積する。」というものです。
悩みを解決する手段を売るのだから、それを説明できなければ売れるはずがない。だからこの商品の説明ができない問屋さんにいくら商品やカタログを持って回ってもらっても、売れるわけはない。
今になって思えば当たり前のこんなことにも、当時は気づかずにいたのでした。
それともうひとつ。
通販会社に採用してもらうにあたって、商品の特徴をこと細かく書いた企画書を提出しなければなりませんでした。もちろん抗菌素材とか、いくつかのセールスポイントはすぐに思い浮かびますが、なにしろ企画書のスペースを埋めるためにはとにかくたくさん書かないといけない(笑)仕方がないのでありとあらゆることを書きました。
「そんなの、他の靴でもみんなそうなってるよ」というような構造も、すべて書いた。分かりやすいように靴の断面写真も載せて。
これが結果的には良かったのですね。靴のプロにとっては当たり前のことでも、一般のお客様は知らないことがたくさんあります。商品に精通したつもりが、お客様の気持ちに精通していなかったという事態に陥りがちなのだと思い知らされました。
最後に大事な事は、ライバルが不在だったということです。
誰もが、
「看護婦さんはサンダルを履くものだ」
「通販で靴は売れない」
と固く信じていた中で、この商品が世の中に出た。ライバルがいなかったということは、無人の野畑で収穫するようなもので、美味しいところを刈り取り放題というわけです。そして一度先行するとこちらには売れるためのノウハウがありますから、それを活かして後続の進出を妨げればいいわけです。つまり参入障壁を高くする。
実際に私が次に取り組んだのは、通販会社とのコラボによるオリジナル商品の開発でした。
ともあれ、いったんビジネスモデルが出来上がると、あとは面白いように仕事が好転し始めます。
外反母趾の方向けに作った製品も、「これはひどいデザインだな」と酷評され、やはり大量の在庫であふれていたのですが、通販雑誌に載せるやヒット商品に成長します。当時はドイツのビルケンシュトック(指を締め付けない幅広デザインで有名なメーカーの靴)が、ようやく日本でもちらほらと出てきたくらいの頃でした。
と、厳しいながらも仕事の楽しさを覚えたこの会社には本当にお世話になりました。仕事での色々なヒントを教えてくれた取引先の方、特に通販会社とのパイプになっていただいたある問屋さんの社長には、本当に感謝しています。あの体験がなかったら、今頃はブログなんか書かずに相変わらずパチンコ屋に通いつめてたかもしれませんね(笑)

コメント(3)
忙しい中、返信ありがとうございます!
岡山に来る予定があれば一報下さいね!
それではまた。。。
おお!なつかしい!
元気ですか?
今でもたまに岡山に行きますよ。ちょくちょく会社にも寄らせてもらってます。
同窓会、いいですねー。
今度岡山に行くときは、ぜひ!!!
岡山で一緒に働いていた女二人組(HとM)です。覚えてますか?
ご活躍されてるようですね。
元気そうで安心しました。
また同窓会でもしましょう。
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